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【220クラウン】ロゼル

ROZEL
掲載:2019年2月号_THE NEW CROWN
文=佐藤 知範 写真=白谷 賢

日本初の新型クラウン用フルバン。「新車はまずハーフから」という業界のセオリーを破り、しかも斬新すぎるデザインで挑む。ある意味、採算は度外視。そこまでしてロゼルが目指すものとは。

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今はフルバンエアロで大ヒットを飛ばすのは難しい時代。特に現行車となると、付けてもハーフ、付けずに落とすだけというケースも多いのが今どきのVIPだ。

この新型クラウンにおいても、各メーカーはまずハーフかリップタイプしか作らないだろう……と思われていたのだが、ロゼルがやってくれた。リアはハーフながら、フロントはフル。それもグリル込みで。

考えてみれば、先代の210系ですらフルバンの設定は極端に少なかった。それは昨今の事情に加え、グリルの存在が文字通り大きすぎたこともあるだろう。自然とバンパーのデザイン面が圧迫され、わざわざコストを掛けてフルバンにするメリットも小さくなるからだ。

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だが、それでもロゼルはフルバンを開発した。グリル問題は、何と自前で作ることで解決。というより、グリルごとバンパーをデザインするという、独自の道を選んだ。

そして今、再び同じ手法で220系に挑む。純正グリルは潔く取り払い、新たにイチから設計。フロントバンパーと一体化させることで、純正からは大きくイメージを変える。このクラウンでは日本初の試み。

グリルインナーは鎖のような太めでアール基調のフィンを、幾重にも重ねた特殊なメッシュに。この部分だけで50ミリほど奥行きを持たせることで3D感を出しており、眺める角度によって印象が変わるのも特徴。ロゼルファンなら気付くかも知れないが、斜めからだと、同社210系用グリルに採用されているハニカムメッシュ風にも見える。

グリル以外の部分も要注目。中でも左右の大きくえぐられたようなダクトは、これまでのVIPでは見られなかった近未来的な意匠。まるでモーターショーの舞台を飾るコンセプトカーのような印象である。

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リアはハーフながら取り付け部分を工夫し、純正にはない立体感と躍動感を表現。マフラーを囲うフィニッシャーのような形状や、エッジを効かせたディフューザーなど、こちらもかなり先鋭的な仕上がり。

キット内容にはリアウイングも含まれ、さらにサイドステップに装着するサイドエクステンションも今後設定予定。1月の東京オートサロンでお披露目される見込みだ。

前述の通り、今はいち早くフルバンを作ったことがアドバンテージになるとはいえない時代。ましてや見慣れない斬新なデザインは、冒険以外の何物でもないだろう。

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しかしそれを重々承知しながら、ロゼルは今回挑戦に出た。なぜなら「VIPに新しい風を吹かせたい」という強い思いがあったからだ。古き良きVIPもいいものだが、もっとお洒落に、今らしく、最新の欧州車たちとも張り合えるような洗練されたセダンに仕立てたい──。

ロゼルはエアロメーカーとしては後発に当たる。老舗のように華やかなVIP全盛期も経験していない。でも、だからこそ思い切りよく新しい道を選べるのかも知れない。こんなご時世だが、ロゼルは守りではなく“攻め”で未来を掴む。