KUHL JAPAN
株式会社
ADMIRATION
事業部
新体制に関する
ご説明会
日時|2025年12月3日
会場|KUHL DEPARTURE
2025年12月3日にプレス発表会が開催された。事前に送られてきたリリースには「KUHLジャパン株式会社 アドミレイション事業部 新体制に関するご説明会」とあり、その用紙には「事業譲渡」や「事業統合」などの堅苦しい文字が並んでいる。
セダン業界の礎を築いたアドミレイションに一体何が起きたのか?
定刻の13時30分に発表会がスタート。会場には50人以上の関係者が集まり、関心の高さがうかがえる。
まずはKUHLの片岡代表がマイクを握る。その冒頭の一言で不安は消え去り、会場に期待感が満ちていく。


「アドミレイションが変わってしまうのか? そんなことはありません。自分は元々ドリフトのショップからスタートしたというのもあって、どこまでいってもスポーティなデザインが僕の好みなんです。
ですが、今のカスタム業界はお客様のニーズが多様化しており、ラグジュアリーやプレミアムなアイテムも求められています。
正直、その部分が僕は苦手(笑)。逆にアドミレイションはまさにその中心の高級ブランド。一緒になることで、KUHLだけでは叶えることができなかったお客様のニーズに応えることができると思いました」。

片岡代表の本気度が滲み出たのが、この事業譲渡の合意に向けて出した絶対条件。特にアドミレイションのスタッフの移籍を強く求めた。
「アドミレイションというブランドだけが加入しても全く意味がない。KUHLでは何もできないし、やったとしても、それはもうアドミレイションではなくなってしまう。
僕の中での一番の条件はアドミレイションを知り尽くしているスタッフの移籍でした。そこをクリアできたからこそ、このような新体制を立ち上げることができたんです」。
ADMIRATION
新ロゴ発表
続いてマイクを握ったのはアドミレイションの礒田サン。新ロゴ、開発計画、東京オートサロン2026。アドミレイションのファンをワクワクさせる3つのニュースを次々と発表する。
「今から30年前にアドミレイションが誕生しました。当時はセダン、VIPカーがこれから盛り上がっていくぞ!っていう時代です。今までのロゴは力強くて存在感があり、まさにその時代を反映したものでした。
そして時代が移ろい、特にモデリスタにアイテムを供給し、アドミレイションの商品がトヨタディーラーで買えるようになってからはブランドイメージが大きく変貌しました。
ブランドロゴの変更は必要かつ必然な状態で、今回、節目の30年目を迎え、さらにKUHLによる新体制となった今がベストタイミングと考え、本日から新ロゴに変更させて頂きます」。


左が新ロゴ、右が旧ロゴ。旧ロゴは小文字、新ロゴは大文字に。端正で凜とした雰囲気があり、現在のアドミレイションのラグジュアリーな方向性を見事に具現化。AとRで織り成すマークはブランドとユーザーとの架け橋をイメージした緩やかなラインが特徴となっている。
ADMIRATION
TOKYO
AUTO SALON
2026
出展決定
来年の1月に開催される東京オートサロン2026に、アドミレイションの出展が正式に決定。KUHLブースの真横に高級感が漂うプレミアムな空間を作り上げる。
そこでお披露目されるのは、新体制での第1弾モデル・レクサスLM。すでに車輌は工場入りし、現在、最終の仕上げ作業に入っているそうだ。
さらに、アドミレイションの大人気モデルのアルファードとヴェルファイアも展示。合計3台の車輌が東京オートサロン2026の会場で来場者をお迎えする。


「第1弾はミニバンのフラッグシップであるレクサスLMです。レクサスの美しさを損なわない、高級プレミアム路線で開発します。
パーツ構成はフロントアンダースポイラー、サイドアンダースポイラー、リアアンダースポイラー。さらにフードトップスポイラー、リアゲートウイング、リアルーフウイングを開発し、合計6点構成になります」。

フロントアンダースポイラー
フードトップスポイラー
サイドアンダースポイラー
レクサスLMの大きな特徴の一つである純正メッキ加飾を生かしたデザインを採用。さり気なくセンター部はボリュームアップして存在感を高めている。フードトップスポイラーはボンネットに装着するアイテム。LMの顔付きをより精悍にしてくれる。サイドアンダースポイラーも小振りで、乗降性を損なわない。ボリュームアップは20㎜程度に留めている。
リアアンダースポイラー
リアゲートウイング
リアルーフウイング
リアアンダースポイラーの中央には4本のフィンをあしらったディフューザーを造形。フロント同様、センター部をボリュームアップさせ、前後の統一感にこだわった。リアゲートウイングはガラス面の下に装着。純正は何もなくツルッとしているが、そこにアクセントを加える。リアルーフウイングも小振りながらも存在感のあるデザインを採用している。

「ご覧の画像はKUHLの頭脳である花野井製作所が製作した3DマスターモデルのCG画像です。一昨日、大阪工場で実車を確認しましたが、かなり良く仕上がっています。ぜひ、サロン会場でご覧になってください」。

東京オートサロン2026
出展車輌
ADMIRATION
アルファード
東京オートサロン2026
出展車輌
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ヴェルファイア

2026年度
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開発車輌
やはり気になるのは新体制後の開発車輌。第1弾のレクサスLMの次は何を作るのか。
「まずはレクサス、2026年はレクサスを中心に走り抜きたいと思っています。車種はIS、GX、RX。アドミレイションはセダンに強いブランドですので、ISは外せない。クロカンブームを背景にGXも、そして、定番人気のRXも手掛けます。
この4車種はKUHLのラインナップにはない車輌です。僕がやったら、たぶん、サイドフィンを立てて走りに振ったスポーティなデザインになると思いますが(笑)、高級プレミアムを得意とするアドミレイションはどんな風に仕上げてくるのか。凄く楽しみにしています」と片岡代表。

VIPスタイル編集部的には、やはり、レクサスISに期待したい。
ここ数年、セダンの開発を見送り続けてきたアドミレイションだが、30年前、VIP創世記から全盛期にかけてはアドミレイション=セダンだった。そのアドミレイションが、今、レクサスISをどう料理するのか。非常に楽しみだ。


写真は2003年のVIPスタイルで、東京オートサロンの模様を紹介。この時、アドミレイションは初めてハーフタイプエアロを製作。ブランドはクレアトゥールで、30セルシオと16アリストをお披露目。
ADMIRATION
全商品
KUHL全店舗で
購入可能に
新体制に移行したとはいえ、ほぼ全てが今まで通り。電話番号もホームページも変更はなし。
その上で、今後はKUHLの全店舗でアドミレイションの全商品を購入&取り付け可能に。これはアドミレイションのファンにとっては嬉しいニュースだ。


「宮城、群馬、栃木、埼玉、東京、愛知、岐阜、大阪、香川、福岡。現在、この地域に13のショップを展開しています。そして、来年の5月~6月には北海道にショップをオープンすることが決定しています。
今まではKUHLだけでしたが、今後はアドミレイションの商品を販売できるとあって、非常に楽しみにしています。
販売だけでなく、ショップにてお客様のクルマに装着することもできます。また、アドミレイションのエアロやアミスタットのホイールを装着したクルマ、いわゆるコンプリート販売も実施します。
ぜひ、アドミレイションの商品をお求めの方は気軽にKUHLのショップにお越しください」と販売責任者の吉田サン。
・KUHL 仙台新港 STORE
(宮城県仙台市宮城野区中野3丁目2-16)
・KUHL 東京
(東京都八王子市松木33-11)
・KUHL さいたま
(埼玉県さいたま市見沼区中川746-1)
・KUHL 栃木
(栃木県鹿沼市茂呂1176-1)
・KUHL 前橋駒形 STORE
(群馬県前橋市駒形町1400-1)
・KUHL DEPARTURE
(埼玉県さいたま市緑区玄蕃新田699)
・KUHL 名古屋
(愛知県名古屋市緑区大根山2-503)
・KUHL 岐阜大垣 STORE OUTLET
(岐阜県大垣市横曽根3丁目109)
・KUHL KARS 愛知
(愛知県春日井市坂下町6-915-1)
・VRARVA 名古屋
(愛知県春日井市坂下町6-912-1)
・KUHL RACING 愛知豊明
(愛知県豊明市阿野町登67)
・KUHL 大阪
(大阪府大東市南新田2-3-8)
・KUHL 香川丸亀 STORE
(香川県丸亀市郡家町654-2)
・KUHL 福岡
(福岡県古賀市舞の里3-15-12)




KUHL DEPARTURE
今回の発表会は「KUHL DEPARTURE」にて開催。いつもはスタッフ不在の無人のショールームで、カスタムカーの魅力を誰でも身近に体感できる場所。2階にはゆったりと座れるソファと、クルマを見下ろせるバーカウンターをご用意している。なお、要事前予約制で、見学は無料となっている。




花野井製作所
KUHL DEPARTUREの隣には、KUHLの頭脳を担う「花野井製作所」がある。新生アドミレイションのレクサスLMも、ここに所属するクラフトマン集団が担当。同施設には「NC加工機」や「大型3Dプリンター」や「真空注型」など、最先端機器を揃え、精度の高い魅力的なパーツを開発していく。

KUHL 新製品
レーシングダンパー(車高調)、レーシングブレーキシステム、ハイドロリフターシステムの3つの新作も会場に展示。その中でも注目なのは、エアフォースとコラボしたハイドロリフターシステム。車高調に取り付けるとスイッチひとつで30~45㎜ほど車高がアップ。これがあれば、もう段差は怖くない。

「KUHLを立ち上げて13年、対してアドミレイションは30年。これから大先輩と一緒に仕事ができることを楽しみにしています」と片岡代表。
このコラボレーションによって、何か凄い作品が誕生するのではないか。今回の発表会での話を聞いて、そんな風に思った。
デザインコンセプトも、問い合わせ窓口も、これまでのアドミレイションと同じ。大きな変更がないというのも、アドミレイションのファンにとっては嬉しく、きっと安心したことだろう。
新しく生まれ変わったアドミレイション。VIP業界の礎を築いた名門。今、第二章の幕が開いた。
◉文・写真|VIPスタイル編集部