センターからリムへと直線的に伸びる細身の5本スポークがメインではある。しかし、アミスタットの最新モデル・ライエンC010の最大の見どころといえは、その脇に一段落として配置されたサブスポークにあるだろう。
まず目に留まるのは、表面の美しい波状模様。一本一本の溝は彫刻刀で彫り込まれたかのように立体的で、実際に手で触ってみると、その凸凹感がハッキリと感じられる。
「3つのカラバリの内、ブラックスクリットマシニングでは、この部分がマシニング処理されるので、独特の質感がより際立ちます」とアミスタットの礒田サン。
造形は直線基調だが、メインスポークに対して一定方向に配置されているので、スパイラル回転しているかのように見えるのも特徴。やや横目から見てみると、それぞれのサブスポークはインナー側に向かって斜めに落とし込まれていることに気付く。これもスパイラルの秘密だ。
「動きのある3D造形というのもライエンC010のコンセプト。重厚でありながら、躍動感のある表情を作り上げました」。
もちろん、シリーズの共通アイコンであるダブルピアスデザインも採用。マルチピースホイールが持つ高級感を最大限に引き出し、今どきのセダンに相応しい華やかなルックスに仕上げられている。
さらに今回は、内側のピアスボルトまわりにマシニング跡をあしらった。これは前作まではスクリットマシニングだけに施される意匠だったのだが、C010ではその他のカラーにも設定。サブスポークの波状模様とも相性が良く、ダブルピアスの存在感を引き立ててくれる。
カラバリは前述のブラックスクリットマシニングの他、シャイニングシルバーとブラックポリッシュの全3色。中でもブラポリは、スクリットマシニングとは黒とシルバーの配色が逆になるなど、まったく違った印象になるのが面白い。
「今後ディスクカラー追加も検討中。2018年は、このモデルがもっと魅力的になるよう育てていきたいと思いますので、ご期待下さい」。
サイズは従来通り、20・21インチのみだが、リム幅は最大でも11Jまでだったところ、今作では12.5Jまで拡大。マッチングの幅が広がったのも嬉しいポイントだ。
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アミスタット
http://www.amistad.ne.jp
●VIPスタイル編集部
掲載:2018年2月号
文=佐藤 知範 写真=内田 俊輔