VIPスタイルの歴代表紙を振り返る企画を2回にわたって連載してきた。
最後となる第3回目は、VOL.17(2002年3月号)からVOL.24(2002年10月号)までの8冊をいっきに紹介する。
なかには、エアロメーカーとして活躍するJOBデザイン城サンの21セルシオも登場。レッツ、ショータイム!
まず第一に車高が低いこと。そして、ツライチであること。
VIPにとって土台とも言える2大要素だが、そこにとことんこだわるのが所属チーム・クラブSASのイジり方。
小振りなオーバーフェンダー、ハの字を切ったタイヤ。さらに、カラーリングは黒か白。これも彼らが提唱する「湘南仕様」のキモである。
装着ホイールはジャンクションプロデュースのスカラージャパン。
F4・R5センチ出しのメジャーパテ埋めフェンダーに、18インチのF10.5J・R12.5Jを放り込んでいる。
エアロ:(F・S・R)ジャンクションプロデュース加工
ホイール:ジャンクションプロデュース スカラージャパン
足まわり:ウインレーシング車高調
(文はすべて当時の記事から抜粋)
ドレスアップとチューニング。その両者が一体化したその時に、はじめて見えてくる本質的なクルマのカッコ良さ。
それをこのアスリートは体現している。
ブリッツのエアクリなど、ターボ車お決まりの吸排気系はもちろん、タービンやエキマニにも手を入れ、コンピュータもそっくりやり直し。
推定馬力は420~430馬力。ゼロヨンもこなせるスペックを誇る。
その上で、当たらないフェンダーや無駄のないエアロにもこだわったことで、「シンプルでカッコ良く、速いクルマにしたかった」という、彼の理想を叶えているのである。
エアロ:(F・R)ワンオフ。(S)アンサー16アリスト用加工
ホイール:シュプレム
足まわり:ビルシュタイン車高調
このクルマに搭載されているのは、アリストやスープラと同じ2JZエンジン。
30顔面移植の裏で、大胆なエンジン載せ換えを、しかも、チューニングカーレベルで展開しているのである。
外観と中身のギャップは意図的で、狙ったのはロリンザーテイスト。見た目は大人なのに、エンジンを開けたら何百馬力……という、あの世界感をセルシオでやってのけた。
ゼロヨン会場での冷やかしの目は走るまでの話。
13秒という結果を叩き出すと評価は一転、あっという間に人垣ができた。
480馬力を隠し持つ化け物のようなセルシオ。シンプルで大人っぽいVIPを装っているだけに、非日常で見せるそのパワーがなおさら際立つのだろう。
エアロ:(F・S・R)ワンオフ
ホイール:SSR プレミアム
足まわり:ビルシュタイン車高調加工
ボディカラーはオリジナルレッド。
今どきのキャンディではなく、本来の赤がこだわりで、「昔のグラチャンレースとかフレッシュマンに憧れがあったんで、気持ち、当時の空気を入れたかったんです」。
クルマのポイント箇所に多様しているカーボンも気になる部分。
ドアノブ・ミラー・ボンスポ・牽引フック・ウォッシャーノズルなどで、「ただの黒じゃなくて、カーボンでやりたかった。
費用は全部で17~18万円。高かったけど、渋くなりました」
CPは日産車のチューニングで有名なRS山本で現車合わせ。
そして、ヘッドライトはBMW用を流用している。車種を問わず、多くのオーナーが採用しているBMW用ウインカーとのマッチングも上々だ。
エアロ:(F)アドミレイションタイプ2(S・R)アドミレイションタイプ3
ホイール:ヴィエナ クライス
足まわり:ビルシュタインワンオフ車高調
27歳にして新車の30セルシオ(価格約900万円!)を操る。
「いつかは……じゃなく、若いうちにこそ乗りたい」。そんな夢を叶えるために、4年以上に及ぶ地道な努力を積み重ねた。
そんな30セルシオのフェンダーを、このタイミングでバッサリと切ったのも凄い。出し幅はF2.5センチ、R5センチで、ボディとのバランスを研究し、この幅に決定したそうだ。
実は、彼はオーディオマニアでもあり、完全室内重視のトランクオーディオも自慢。
デッキ、アンプ、イコライザーはカロッツェリアXピュアデジタルシステム。ゴルフバッグが4個入る、30系の広いトランクルームを存分に活用して組んだ。
エアロ:(F・S・R)アドミレイション加工
ホイール:インパルス ウィナー
足まわり:データシステムASE667
落としたまま走る。そんな今どきのキーワードをジャガーでやってのけたというのが凄い。
純正のショックはビルシュタインなのだが、アーデンのバネに組み替え、ショック自体もエナペタル特注ショートストローク加工を施し、限界まで落としている。
鉄板溶接で出したフェンダーも必見。内側もフル加工で、インナーは丸々作り直しレベル。
それによって、車高はマフラーの底を擦るほど低いのに、ツライチは決して当たらず、スムーズに走ることができるのである。
ユニークなポイントがヘッドライト。キラキラ感を得るために、なんとムーブのフォグに変更。
「測ったらジャガーの丸目とちょうど同じくらいの寸法だったんです」。
そんな所にまでこだわるジャガーオーナーは、きっと彼だけに違いない。
エアロ:(F・S・R)オートクチュール加工
ホイール:レオンハルト クロースター
足まわり:純正ビルシュタインエナペタル改+アーデンサスカット
34セドリックのヘッドライトとテールランプを違和感なく投入した32セド。
「誰もやっていないことをやりたい!」という、小玉クンの強い思いが大技へと向かわせた。
特にリアは苦労したそうで、トランクのみならず、クオーターパネルにもサンダーの刃を入れたことで、見るからに高完成度なスタイリングを獲得している。
ボディカラーはキャンディルビーレッド。ガンメタをベースに吹き、その上にキャンディを30回以上も吹いて完成させた色。
この深みのあるカラーも、もちろん、自慢だ。
エアロ:(F・S・R)ジャンクションプロデュース34用加工
ホイール:スカラージャパン
足まわり:JIC車高調
新型に乗り換えることよりも、「ドレスアップの奥の深さを楽しむ」ということに重点をおいたオーナー。
そういうスタンスを貫くことでドレスアップのセンスが磨かれ、さらにクルマはカッコ良くなる。
10セルシオに30系の大きなヘッドライトを入れているにも関わらず、このクルマには窮屈そうな印象が全くない。そこが最大のポイントである。
ノーエア状態で車高をベタベタに落としても走行可能なフェンダー作りも必見。
リアは11.5Jのクレンツェ ラピア。ディスク面が見せないほどの深リムを装着させている。
エアロ:(F・R)アドミレイション30セルシオ用加工(S)エボリューション3加工
ホイール:クレンツェラピア
足まわり:データシステムエアサスキット