水色ボディ&ビス留めフェンダーの前仕様から一転、シンプル路線へ。イベントウケよりも本当に好きなスタイルを追求したい──そう思ってリメイクしたわけだが、むしろ以前より大きなトロフィーをゲット。これもVIPの奥深さ。
少しブラウンの入った渋いグレー系のボディカラーに、スッキリしたエアロと王道のメッシュホイール。圧倒的な低車高やオバフェン、ツライチもお見事。押さえるべきところを隙なく押さえた、VIPの王道を行く1台。
「自分にとって高級車といえば30セルシオというイメージ。ずっと憧れていた大好きなクルマなんです」。
だからこそシンプル意識。純正の味は崩さないのがモットー…なのだが、実は前仕様ではバンパーの開口部をガッツリ開け、ビス留めオバフェンを装備するなど、現在とはまったく方向性が違う派手系だった。
「若さゆえ(笑)。トロフィーのためならやってしまえと。ボディも『ザ・水色』という感じでした」。
VS XXはゴールドピアスがお気に入り。ヘッドライト形状に合わせてLS460中期フォグに。エアサスはボルド。先輩に譲ってもらったドライカーボンマフラーは前仕様から継続。
とにかくイベント会場で目立つことを最優先していたオーナーだったが、本来はシンプルが好み。30セルシオを買ったのも、いかにもセダンらしい落ち着いた雰囲気に惹かれたからだ。そこで一度、原点に立ち返ってみようと考えた。
「イベで賞が獲れなくてもいいから、本当に好きなことをやろうと。シンプルな中にもインパクトのある仕様を目指してリメイクしました」。
エアロはエイムゲイン純VIPを採用。そのままでも十分気に入っていたが、フォグはLS600中期用からLS460中期用に。リアはディフューザーを囲むAラインをやや角ばらせるなど、さり気なくも若干のアレンジを加えた。
「裾まわりも短縮。エアロ全体が着地寸前になるよう計算してます」。
フェンダーはビス留めから鉄板溶接オバフェンに変更。重視したのはどんな角度からでも美しく見えること。出幅はF3・R5センチ。付け根をぼかして滑らかに膨らませ、キャンバーはF11・R13度に設定。
「全下げでツライチにしたくて少しアーチも上げています。ただ、19や20インチでこれをやるとアンバランスになるので、ホイールは18インチにして切り上げ幅を抑えました」。
ボディカラーは悩みに悩んで、マツダ純正のチタニウムフラッシュマイカに決定。日が当たるとブラウンの輝きが強まり、陰の部分は黒にも見える。しっとりした艶があり、落ち着きもある大人っぽい色。前回のライトブルーとは対照的だ。
ヘッドライトはレンズを新品に換え、グリルも純正プリクラ付きに。30セルシオ本来のテイストを生かしつつ、トータルバランスに優れた風格ある仕様を作り上げた。
「派手じゃないからイベントではウケないだろうと思っていたんですが、むしろ評価は上がりました」。
デビュー戦は去年6月のドレパ。いきなり総合2位の好スタートを切ると、トップスタイル杯で中国総合、ドレフェスで特別総合、DSU杯では総合4位など怒濤の快進撃。
「こんなに大きな賞をもらえるとは思ってもみなくて、本当に驚きました。次はまだ手つかずの内装を、来年中にはカタチにしたいです」。
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広島県
斎藤 拓睦 (25)会社員
座右の銘は“夢はいつか叶う”。「VIPスタイルに掲載されるのも夢でした」。彼女の京香サンにはよくセルシオの写真を撮ってもらっているそう。
●VIPスタイル編集部
初出:VIPスタイル2021年8月号