210系の登場から約5年。中古車市場での価格がこなれてきて、若い人にも手が届きやすくなった今、クラウンシリーズの中では最も旬のクルマと言える200系。今月号の巻頭特集を見ても、ユーザーの年齢層が徐々に下がっている感じがする。これからも200系を選ぶユーザーが増え、セダンのドレスアップシーンがますます盛り上がることは間違いない。
今月号のカバーカーに輝いた足立クンの200クラウンは外装はもちろんのこと、内装やオーディオも徹底的に手を加え、表紙を飾るに相応しい「華やかさ」を持っている。彼もまた、200系を愛してやまない1人だ。
「200クラウンの好きなところは内装。他のクルマよりも、質感が高くてまとまりがあると思います。それでずっと気になっていましたが、JOBデザインから出たエアロを見て、『このクルマに乗ろう』と決めました」。
当時JOBから発売されたばかりのファントムは、エッジを効かせて押し出し感を強め、今にも襲いかかってきそうなほど攻撃的なデザインが特徴。このエアロを組みたかったから、クラウンじゃないとダメだったのだ。
足立クンはクラウンを買い、すぐにJOBのファントムを組んだ。それだけでは終わらない。ボディを塗り替え、ワンオフでブリスターを製作。さらに内装も張り替え、トランクオーディオまで作成。それをクルマを買ってから、わずか1年で成し遂げた。
「もう勢いでやっている感じですね。でも、それが楽しいです。ここまでやったけど、まだまだ進化させたい思いが強いです。そのために、毎日仕事を頑張っています。忙しくてなかなかイベントに行けませんが、これからもクルマのためにバリバリ働きます」。
その甲斐もあって今年、新たな仕様を披露した。最大の見どころはエアロ。ファントムが増えてきたので、そろそろ次のリメイクを考えていた足立クンは、ファントム以上の運命的な出会いを果たす。それはJOBのファントムネオ。200クラウンではなく、40LS後期用に作られたものだ。
「もう立体感がすご過ぎて、パッと見ですぐに好きになりました。このエアロをニコイチすれば、他の200系と絶対に被らないと思ったんです」。
フロントに関しては、LS後期グリルまで移植。クラウンの象徴である王冠エンブレムを加工装着し、さらにボンネットの先端も形状を整え、まるで純正のような収まり具合を実現した。
ボディカラーはレクサスRC F純正色、ラディアントレッドコントラストレイヤリング。光の当たり方や時間帯によって、色合いが変化するところが気に入っている。内装に関しても、そのボディカラーに引けを取らないほど華やか。ボディと統一感を出せる赤に、上品で清潔感漂う白を組み合わせたオシャレな仕上がり。
「赤と白を使ったのは、JOBデザイン城サンが乗っているLSの影響。城サンへの憧れが強すぎて、内装の色使いもLSを参考にさせて頂きました」。
しかしパネル類は黒。赤か白、どちらかに寄せるのが定番だが、ここは引き締まった印象を与えるのが狙い。
「赤と白の2色だけだと、ちょっとぼやっとした感じがしました。差し色として、さり気なく使っています」。
内装も一度完成させて終わりではなく、細かい部分をリメイクした。
「最初は城サンのLSをイメージして作りましたが、その後に自分がやりたいことが出てきたので、それを少しずつ足しているところです」。
まずは生地を部分的に変更。ドア内張りと天井にスエードを使っていたが、レザーに張り替え直す。これで内装の生地は、すべてレザーとなった。
「白のスエードはどちらかと言えばクリーム色に近くて、白のレザーと比べると黄ばんで見えた。そこでキレイさを出すために、レザーにしました」。
トランクオーディオも気合いが入っている。アクリルを多用した立体的なデザインに、マルチカラーのLEDを仕込んでビジュアルでも高い注目度を集める。もちろんサウンドのセッティングも完璧。しかしイベントでは定番の、外向き仕様ではない。
「自分が運転している時に、良い音を楽しみたい。音はとてもクリアで、誰にも負けないレベルだと思う。この内装で大好きな洋楽を聴きながら走っていると、テンション上がりますね」。
最近はプロセッサーを、レインボーの高機能デジタルモデルに変更。クリアなサウンドに、深みも加わった。
トータルで完成させたらもう終わり、というオーナーが多い中、足立クラウンの進化はまだまだ止まらない。
「僕と同じ車種に乗っている人に、一目置かれる存在になりたい。これからも、足を止めずに頑張ります!」。
VIPスタイル
歴代表紙車 大特集
<要チェック!>
【特集】
絶対に参考になる!
クラウンオーナー車
厳選紹介
●VIPスタイル編集部
掲載:2017年11月号_表紙車
文=岩田 直人 写真=木下 誠