VIPの王道を行く5本スポーク。
それもディスクがほぼフラットな昔ながらの仕立てである。
近ごろはこうしたホイールは珍しいわけだが、その理由の一つは、ブレーキの大型化にあるだろう。
社外ブレーキはもちろん、現行セダンの純正ブレーキは、ビッグキャリパー仕様も珍しくない。
ということで、今どきのVIPはハイインセットを選ばざるをえないケースも多いのだが、「リムの深さも欲しい」というのがオーナーたちの心情だ。
「そんな声に応えるべく、リムが取れてブレーキもかわせるようなモデルが主流になってきた。具体的にはスポークをアール形状にして天面を隆起させ、センターやリム側は落とし込むといったホイールです」とスーパースター神山サン。
同社がそれを否定しているわけではないが、もっと純粋にリムの深さを見せたい──そんな思いから生まれたのがこのグラウベなのだ。
前述の通りディスクはフラット基調。
正確には緩やかに反らせた断面で設計し、5本の足は太すぎず細すぎず、ほど良いボリュームに。
スポークサイドはシャープにえぐって一段落とし、陰影を付けることでメリハリある表情を演出する。
スポークエンドはリムまで伸ばさず、あえてピアスボルトの内側で収めたのもこだわり。
「コンセプトは“モダンクラシックデザイン”。足長感ではなく全体のバランスで勝負したつもりです」。
スポークとピアスボルト周りとの落差は最小限。
一体感があり、なおかつリムもスポークに邪魔されることなく、ダイレクトに見えるのが利点。
その反面、深リムサイズの履きこなしは難易度が高くなるが、だからこそ価値があるともいえよう。
またフェイスは2タイプを用意。
「センターがオープンタイプのフェイス1と、カバータイプのフェイス2の2種類です。前者はスタンダードですが、後者はちょっと懐かしい雰囲気が楽しめますよ」。
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スーパースター http://www.superstar-wheel.com
●VIPスタイル編集部
掲載:2018年4月号
文=佐藤 知範 写真=冨川 真一