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【51フーガ】派手の裏に潜む、大人のシンプル魂

掲載:2018年2月号_巻頭特集 逆襲のシナリオ
文=佐藤 知範 写真=西野 キヨシ

JUNICHI NAKAMUTA× 51FUGA

まだオーナー数もそう多くはない51フーガ。そんな車種をあえて選んだというところから、中牟田クンの計算が始まっている。
「まずイベントで勝てるクルマにしたいという前提があったので、被りにくい方が有利かと。それにシンプルなイジりでカッコ良くキマりそうなスタイリングも決め手でした」。
これまでの愛車遍歴は、18クラウン→レクサス40SCと来て、昨年この51フーガに乗り替え。いずれもドレスアップしており、SCでは総合優勝という輝かしい経験もある。と聞くと、そんなクルマを手放したのはもったいなかった気もするが、
「やっぱりセダンが恋しくなっちゃったんです。室内も広いし(笑)。それで買い替えようと思った時、予算的なことも考えて候補になったのが、40LS中期と200マジェスタ、そして51フーガでした。どれにするか迷ったんですが……」。
LSはライバルが多いので、おそらくは内外装まで徹底的にやらないと勝負にならない。マジェは被りにくいが、これはこれでがっつりイジらないと様にならない──ということで51フーガに白羽の矢が立った。
「派手好きと思われそうですけど、実はけっこうシンプル派。だからあまりゴテゴテさせず、スッキリしたスタイルで勝てる仕様を作りたかった。それには51フーガがピッタリだと思ったんです」。
いわれてみれば、このクルマは意外にシンプルである。一見するとエアロはポン付けっぽい感じだし、フェンダーも出していない。エアサスだから車高は低いものの、キャンバーはナチュラル。派手に見えるのはカラーリングだけなのだ。
それでも今回、多くの票を集めたのは、おそらくベテラン好みのツウなイジり方をしていたからだろう。詳しくは後述するが、「やっていないようで実はやっている」「普通ならやり過ぎてしまいそうなところを抑えている」というのが、分かる人には分かるクルマなのだ。
「正直、自分ではアワードが獲れるとはまったく思っていなかった。同じ系統なら金のGS(原田クン)もいたし、獲るなら彼の方だろうなと。だから選ばれたと聞いた時は、え、マジですか? という感じで、嬉しさよりも驚きが大きかったです」。
赤いボディにゴールドメッキのホイール。近ごろ話題の「ドバイ仕様」でインパクトを出しながらも、派手なだけでは終わらない。カラーにもエアロにもきっちり手間を掛けつつ、それを悟らせないことで奥行きを出す。人気車ではなく51フーガだからこそ、そんなやり方が効果的。オーナーの計算も生きてくる。

ベースは前期タイプSの後期仕様。エイムゲイン純VIP GTは、まだ前期の姿の頃に巻いたオーナーお気に入りのエアロだ。
「乗り替えで悩んでいた時から、『これを付けたら絶対カッコ良くなる』と確信。51フーガ購入の一つのきっかけにもなりました」。
ゆえに新しさを求めて後期仕様に進化させた際もエアロはキープ。とはいえ純VIP GTは前期用だからそのままでは付かないし、後期用は販売されていない。そこで純正の後期バンパーを購入。付け根を残して切り落とし、前期用とニコイチ。
「もしエイムゲインが51フーガ後期用を作ったら? というのが密かなコンセプト。デザイン面には極力触らず、純VIP GTをそのまま生かしています」。
車種が車種だけに、そんな事実はかなりマニアな人でないと気付かないだろう。しかし、それが心憎い。
ボディカラーはオリジナルレッド。もちろん、ゴールドメッキと組み合わせる前提で選んだ色である。
「ホンダ・ヴェゼルの赤をベースに、より明るく鮮やかに見えるよう調色してもらいました」。
またレクサス純正のガラスフレークもプラス。ただし、入れすぎるとギラつき過ぎて品を損なうとみて、配分は30%に止めている。
さらにキャンディコンクも混ぜ、10コートほど重ね塗り。本物のキャンディとまではいかないが、普通のカラーリングでは表現できないしっとりと深みのある艶を出した。
「MTは雨で本来の持ち味を発揮できなかったけど、晴れた日は本当にキレイで、光が当たるとキラキラ輝く。自慢のボディカラーです」。
そしてドバイ仕様の肝となるゴールドメッキ加工は、5本スポークのシャレンLOD FXと、フォグカバー部のみに実施。グリルやエンブレム、ドアノブなど、他にもゴールド化できそうな部分はあったものの、
「やり過ぎるとVIPからは離れていくような気がして、とりあえずはココだけにしてみました」。
インパクトでは確かに原田クン(ちなみに同級生)のGSに一歩譲るが、少し控えめなところがVIPらしいともいえる。今回のMTで得票率トップ4に名を連ねた理由は、そこが評価されたからだろう。