先代の40系から大きな進化を遂げた50LS。ボディは長く低く、シルエットはクーペを思わせる流線形状になり、いかにも速く走りそうな鋭い面構えとなった。
とはいえ、Fスポ以外の〈標準グレード〉は、それでも高級路線。前後バンパーやロッカーモールには煌びやかなクロームメッキがあしらわれ、ラグジュアリーセダンらしいパッケージになっている。ゆえに、
「特有の高級感を崩すことなく、上手く引き立てるというのが、標準グレードをイジる基本だと思います」とエイムゲイン伊藤チーフ。
そうしたセオリーに則って開発されたのが、純VIPエグゼのエアロキット。前後はハーフタイプながら、各部のメッキガーニッシュには干渉しない構造で、サイズもリップスポイラーに近いくらい小振り。
「純正OP系のエアロよりも、確実にサイズはコンパクトです」。
それは50LSらしさをキープする目的もあるが、落とした際の「走りやすさ」を考慮した結果でもある。
「50LSは標準グレードでも、もともとの車高が低い。落とすなら4センチくらいがベストで、5センチだど際どく、6センチ以下は相当厳しい。そんな感じですから、エアロも小さい方がいい、というより、そうじゃないと下げて走れないんです」。
デザインは純VIPエグゼらしくシンプルだが、見るほどに味わい深い。ボディラインをそのまま延長したかのように自然なのに、物足りない部分はきちんと補正。
フロント左右の軽い張り出し、サイドステップボトムの内巻き形状、ディフューザーの4連フィンなど、小振りでさり気なくも、存在感はしっかりある。
「今回は3Dデジタルモデリングで造形。手作業では作れないような複雑な曲面もこれで実現しています」。
正確に左右対称形なので装着時の違和感もなし。当然、フィッティングも良好だ。エアロの質はクルマの仕上がりにも直結するだけに、このハイクオリティはまさに最高級車に相応しい。
そういった意味では、デモカーが採用しているGⅡMフォージドもまた、50LSに似つかわしい逸品といえる。
「見る人が見れば分かる、鍛造ならではの贅沢な味わい。特に標準グレードにはドンピシャだと思います」。
標準グレードにハマるのがGⅡMフォージドならば、Fスポーツに最適なホイールは何か? その答えのために、エイムゲインが用意したのがこの〈GTM〉。
同社シリーズ随一のアグレッシブさを誇る、最新2ピースモデルである。
まず印象的なのは、開口部の大胆さ。さながら獲物に襲いかかる猛禽の爪のように細く鋭いY字スポークにより、ブレーキ周りが丸見えになるくらい空間が空いているのだ。
ともすればスカスカ感が出てしまいそうなレイアウトではある。だがFスポなら、レクサスロゴ入りの専用F6・R4ポットアルミキャリパーを見せつけるチャンス。むしろ好都合というもの。さらに、そのルックスを裏切らず軽い。
「鋳造ではありますが、綿密な強度計算と設計により、可能な限りの軽量化を図っています」。
具体的には、Fスポ純正の20インチホイールと比べて、GTM22インチの方が1本あたりで約4キロも軽いという。走りがウリのFスポとしては、これも大きなアドバンテージとなるだろう。
また、LS本来の味を崩したくないオーナーのために、センターキャップをレクサス純正ホイールオーナメントにすることも可能。これはオーダー時に申し出ることで変更できるが、後からエイムゲインキャップには戻せないのでご注意を。
カラバリも全9種と豊富で、さらにOPでリムやピアスボルトのアレンジもOK。オンリーワンの履きこなしができるのも、こだわり派が多いFスポオーナーには魅力だろう。
□問い合わせ
エイムゲイン http://www.aimgain.net
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●VIPスタイル編集部
掲載:2018年6月号
文=佐藤 知範 写真=エイムゲイン