時代と共にフラッグシップに求められるスタイリングは大きく変化する。特に、この50LSが発表された時の衝撃は、それまでとは比較にならないものだった。威厳と麗しさを兼ね備えたクーペ風セダンは、ノーマルの時点で文句のつけようがない完成度。その結果、各メーカーは新型LS用エアロをどう作り上げるか、非常に頭を悩ますことになったのだ。
トップメーカーの一つであるアーティシャンスピリッツは、「ブラックレーベル」シリーズにて製作。これまでセダン・クーペ・SUVとレクサス各車を数多く手掛けてきただけに、レクサスが持つ気高さを損なうことなく、さらに一つ上の美しさを表現することにかけては絶対的なセンスを発揮する。その実力はこの50LSにも充分に現れている。
ブラックレーベルのブランドコンセプトは、「走っている姿の美しさ」の追求。クルマはあくまでも走って移動するもの。つまり、クルマ本来のカッコ良さを実感する瞬間は、走行シーンにこそあるという考え。ブラックレーベルを纏ったセダンが、ノーマル以上に美しく見える走る姿を、多くの人に見て欲しい。新作の50LS用エアロにも、そんな思いが込められている。
フロントアンダースポイラーから始まり、サイドアンダースポイラー、リアディフューザーへと、車体をグルッと取り囲む各パーツは、説明がなければ気が付かないほどの自然な一体感がある。各アンダースポイラーの絶妙な張り出し具合や、トランクスポイラー、ルーフスポイラーなどのさり気ない存在感。足し過ぎず、でも足らないわけではない匙加減や、ノーマルのデザインを理解した上で振りかける自らのエッセンスなどなど。これらを巧みなバランスでカタチにし、しかも、誰もが納得できる完成度を誇る。アーティシャンスピリッツが世界から注目される高級ブランドたる所以だろう。
50LSとアーティシャンスピリッツの組み合わせは、誰もが簡単に手に入れることができるわけではない。だからこそ、実際にオーナーとなった際には、周囲から嫉妬されるほどの、熱烈な視線が突き刺さってくることは間違いない。
今年の東京オートサロンで発表された最新作ホイール。それがコラートA7+だ。この名前はスペイン語で「心」を意味するCORAZONと、アーティシャンスピリッツの「ARTISAN」から生まれた造語である。しかも、スポークは社名の頭文字である「A」を強く意識させるデザインとしたことで、このホイールシリーズが同社にとっていかに重要な位置付けか、容易に想像がつくはずだ。
前述したエアロのブラックレーベルと同様、スポーティ感を心掛け、また、鍛造ならではの削り出し感をイメージさせるのではなく、ラグジュアリー感を強調するために、あえて緩やかな面を持つスポークを採用していることも大きな特徴だ。
さらに、すでにお気付きの方もいるだろうが、ピアスボルトを採用しないという、最近のトレンドとしては非常に珍しいアイデアで勝負に出た意欲作でもある。
表面の仕上げはバフフィニッシュをはじめ、ブラッシュド、マットブラッシュド、トランスグレーブラッシュド、塗装の5種類を用意。ディスクカラーはブラック、マットブラックなど、全6色。リムカラーも標準設定となるバフアルマイトの他に、ブラックアルマイト、マットブロンズアルマイトなど、全7色。
この結果、ピアスボルトレスの効果で軽量化に成功し、デザイン性では50LSに相応しい艶やかな高級感を獲得した。
このように、コラートA7+は、王道デザインと革新的アイデアの融合がもたらした究極のホイールであり、次世代の高級セダンシーンを牽引していく存在となる。
□問い合わせ
アーティシャンスピリッツ
http://www.artisanspirits.co.jp
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●VIPスタイル編集部
掲載:2018年6月号
文=酒寄 俊幸 写真=木下 誠