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【14MAJESTA / オーナー車】娘と父と14マジェスタ

VIPSTYLE_10月号

【14MAJESTA】
娘と父と14マジェスタ
OWNER:MAI SATO

まだ9歳の頃。クルマ好きの父・良平サンと一緒にイベント見学に行った時のこと。会場でもひと際目立つ、真っ赤に染められた1台に、これは本当に父と同じクルマなのかな? と思った記憶がある。

「子供心にも、改造すればこんなに雰囲気が変わるんだと驚いた。父のクルマもカッコイイと思っていたけど、この赤いクルマも凄くカッコイイなと衝撃を受けました」。

それがあの“赤マジェ”だった。同じ14マジェに乗る良平サンはもちろん大林サンのことを知っており、興奮気味にそう教えてくれた。

「大林サンはすごく優しい方で、父と私と3人で、赤マジェをバックに写真を撮らせてくれた。それから大林サンは私にとっても憧れの人になりました」。

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が、帰宅して確認したところ、カメラの不調で件の写真が撮れていなかったことが判明。その後も何度か良平サンとイベントに出掛けたが、大林サンと会うことは叶わず。やがて麻衣サンは中学に上がって部活が忙しくなり、高校生になるとバイトを始めるなど、しばらくVIPの現場からは離れることになる。

それから時を経た2017年。良平サンと二人三脚でイジった14マジェで、第4回コンプリートフェスタに参戦。そこで実に18年振りに大林サンとの再会を果たす。

「あの頃とまったく変わらないお姿で、ひと目で大林サンと分かりました。優しいところも同じで、当時撮れていなかった3人の写真を、この14マジェと一緒に撮らせてもらいました。もちろん、今度はその場で撮れているか確認しましたよ(笑)」。

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20年以上にわたって大切に維持してきた
14マジェに、また新たな命が吹き込まれる

免許を取って初めて手に入れたクルマはS15シルビア。当時はVIPも変わらず好きだったが、ドリフトにも興味あり。

「本当はS14が欲しかった。でも、父から程度のいいキレイなS15があるからそっちにしなさいと」。

ちょっとイカツめの風貌ながら、良平サンの性格は非常にフレンドリーでおしゃべり。そして何よりも「キレイ好き」なのだという。

「初心者がドリフトをやったら、まず間違いなくクルマをキズ付ける。そうしたら誰よりもキレイ好きな父も悲しむなぁと思ったら、結局ドリフトはできなかった(笑)。だから普通に乗っていましたね」。

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そうこうしているうちに、同年のハトコがVIPに目覚め、周りにもイベントに出るようなクルマ好きが現れ始める。その影響で麻衣サンのVIP熱も高まってきたが、

「父の心にも火が点いたみたいで。2人で14マジェをイベントに出してみたいねって話になったんです」。

イベには何度も足を運んだことはあったが、エントリー経験はなし。なお、14マジェはエアロ・ホイール・ローダウンのみの状態で、良平サンが大事に維持し続けていた。それを2人でまたイチからイジってイベントに出してみよう──そう決意したのが、2014年のことだった。

「父の意見は『今っぽく』。一方で私は、父と見学に行っていたあの頃の仕様にしたかった。普通は逆だろうと思うでしょうけど(笑)」。

結局、良平サンが折れる形で意見がまとまった。テーマは“路地裏の青春”。VIPが凄まじく元気だったあの時代、あの頃のヤンチャさを採り入れてリメイクが始まる。

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「私と父、そして製作をお願いしたカーショップイガリのアイデアも交えて作ってもらいました。ここの社長さんがとてもこだわりの強い方で、仕上げまでいっても、少しでも納得いかないところがあると、躊躇なく壊してやり直しちゃう。またお店が忙しかったこともあり、完成までは丸3年掛かりました」。

もともと付けていたエボV3をベースに加工したエアロ、クッキリ出した存在感たっぷりのオバフェン、艶やかキャンディパープルのボディカラー。旧車好きの良平サンの意見も反映し、オイルクーラーや大胆な跳ね上げマフラーも装備。そして足元には、Kブレイクリスペクトの意味も込めて、ハイブリードファイブスタの19インチを合わせる。

「大林サンに見てもらった時、『作りが凄くキレイ』といってもらえたのが嬉しかった。あの時の写真は大きく引き伸ばして額縁に入れ、私と父の大切な宝物になっています」。

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●VIPスタイル編集部
掲載:2018年10月号_巻頭特集・オーナー物語。
文=佐藤 知範 写真=木下 誠