太陽の光を浴びて輝きを増すキャンディレッドのボディ。唯一無二のデザインを持つクロームメッキのイミッツも強烈な存在感を放ち、出幅を変えずにアーチのみ思いっきり切り上げたフェンダーで決めたツライチはまさに圧巻。オフ会も主催するほどマークX愛が強い男の最高傑作。
前身モデルのマークⅡから走りの血統を受け継いだマークX。FR駆動でパワフルなV6エンジンという魅力的なスペックを持ち、その気になればドリフトも楽しめる。スポーティにイジる人が多いのは、クルマが持つ雰囲気がそうさせるのかもしれない。木下クンの130マークXもスポーツテイストを加えているものの、根底にあるものは「VIP」。セダンをドレスアップする上での基本は忘れない。
「VIP自体オシャレで上品なイメージがあるので、マークXでも表現できたらいいなと思いました」。
ボディカラーは昔からトップオーナーたちに好まれてきた、深みのあるキャンディレッド。塗料は腕利きのカスタムペインターたちが愛用するショーアップのオリジナルカラー、エンヴィーキャンディを採用。
「他のキャンディ塗料と違って耐光性があり、色落ちが少ないのが特徴。下地は製作ショップピアレスのオリジナルカラーで塗装しているので、普通のキャンディとはまた違った色合いです。普段はワインレッドっぽい色で、光が当たると鮮やかさと明るさがかなり強くなります」。
ホイールはこの刺激的なカラーリングのインパクトを受け止められる、個性が強いものを。複雑なフィンデザインを持つクロームメッキのワーク・イミッツは、オーナーの理想にピッタリのデザインだった。
「以前はマイスターL1を履いていましたが、ちょっとスポーティさが強いと感じたのでもっとVIPらしいホイールが欲しくて。イミッツは90年代にVIPで人気のホイールだったのも選んだ決め手ですね」。
キャンディレッドにイミッツと外装を目立ち路線に振ったらフェンダーもワイドにしたくなるが、純正らしさを残したいから出幅は変えない。しかしアーチだけはF4・R8センチと大きく切り上げる。
「純正らしさを残したまま違いを出すためにアーチを上げました。違和感が出ないようにラインを追加して、自然なアーチを作っています」。
エアサスによる驚異の低さをキープしたまま、アーチ上げにより19インチを被らせずリムツラでセッティングすることに成功。キャンバーはピラーの角度に合わせて前後8度で揃えることで、踏ん張り感が向上。足元でもVIPらしさを主張する。
昨年マークXを完成させてからイベントにも積極的に参加している木下クンだが、今年の3月には大阪でマークXだけのオフ会を開催(その模様は本誌6月号で紹介)。各地から何と75台のマークXが集まり、参加者たちは存分に交流を満喫した。
「最近はイベントに参加する人が少なく、他県のミーティングに参加する機会もない。もっと交流の場を増やしてあげたいと思い、仲間たちと協力して開催しました。オフ会で刺激を受けたのか、その後イベントに参加したらマークXのエントリーが増えた気がします。『次回もアルなら参加したいです』という声も多く、開催して良かったと思います」。
愛車のドレスアップを進めながら、マークXを盛り上げるために動いている木下クン。まだまだ熱くなる車種であることは間違いない。
<OWNER>
大阪府
木下 翔太 (27)
VIP歴4年/B型/射手座/会社員
「マークXが増えてきて、僕より若い人が頑張っていると刺激を受けますね」。次は内装を頑張りたいとか。
◉VIPスタイル編集部
初出:2021年8月号