今回の復活に向けてベース車として選ばれた車輌は、言うまでもなく、日産の現行フラッグシップ車だ。昨年夏より開発を始めたY51シーマは、前後ハーフとサイド、そしてリアスポイラーの4点を用意。シーマのエレガントさをそのまま活かし、高級感を高めるためにフロントはシンプルな内巻きを採用。一方で、リアスポイラーのデザインは、現在では珍しいスリーピース構成に。こうして、当時隆盛を極めたスタイルと最新ボディスタイルの融合を実現させている。
Y51フーガは前期用と後期用を設定。前期はフロントハーフを中心にスポーティ感溢れるシンプルなデザイン。対して、後期用はシーマとも対照的な立体感溢れる派手さを演出。コンセプトは、和製AMG。「90年代に流行ったW126のAMGを今風にモディファイしました」と高橋サンが話すように、前期をベースとした後期仕様のこのデモカーは、その当時の雰囲気を色濃く残すスタイルへと仕上げてある。
今回はエアロだけにとどまらず、当時物のイメージを踏襲したホイールのプリズムⅡ、マフラーのブレーザーⅡも同時販売が決定。TMオートパーツが隆盛を極めた時代とは価値観が異なるこの現代に、業界がどよめくほどの大きな復活の狼煙が、遂に上げられたのである。
当時TMオートパーツより発売されていたプリズム(18インチ)を今風にモディファイ。フーガには20インチリバースリム(シルバーペインテッドディスク&ダグリップバフアルマイトリム)。シーマには21インチステップリム(3Dブラッシュドディスク&ダグリップブラッシュドリム)を装着。TMAロゴ入りで、ディッシュデザインの2ピースホイールだ。
プリズムII ※価格要問い合わせ
後期型を開発する前に、前期用はすでに2月の時点で完成していた。後期用とは正反対の、非常にシンプルなデザインが特徴。しかし、上から見た際のラインを中央と左右で変更するなど、他製品と同様に細かいクオリティにこだわりあり。一目でTMAだとわかる独創性高いスタイルは、フーガ乗りの注目を集めることになるはずだ。
【Y51フーガ前期用】
ホイールと同じく、当時販売されていたオリジナルマフラーのブレーザーも、ブレーザーIIとしてリニューアルを敢行。マフラーエンド部の絶妙な曲線美。そのこだわりはインナーのパンチングメッシュにも採用されており、クオリティの追求に関して妥協は一切していない。TMAとしての復活への意気込みは、各部の品質で理解できるのだ。
ブレーザーII ※価格問い合わせ
◉VIPスタイル編集部
初出:2021年8月号