山下クンが18クラウンをフルリメイクする際に決めたキーワードは、ハデ・スポーティ・立体感。18系は今でもライバルが多い車種だけに、どんなワザに挑戦しても他と被りやすい。だから1つだけでなく3つの要素を加えて、イベント会場で注目を集められるクルマを作り上げた。まずハデ=目立つために挑戦したのがオールペン。赤は赤でも、手間がかかる分発色が鮮やかなキャンディレッドをセレクト。
「赤は膨張色なので、ボディが大きく見えるのが好きです。キャンディは塗り重ねるほど色が濃くなってしまうので、赤々しさを失わないように。それでも明暗がクッキリ出るような色合いにしてもらいました」。
視覚的にボディが大きく見える色合いとは言っても、実際横方向へのワイド感はノーマルとは比べものにならない。鉄板溶接で作ったオーバーフェンダーも、目立ち度の向上に大きく貢献する。出幅はF6・R10センチ。アーチをクッキリと作ることで、数値以上に大きく見える。
「出ている感が欲しいからクッキリで。18系は最近ブリスターが増えているので、そこは差を付けるためにオーバーフェンダーにしました」。
このフェンダーに合わせ、足まわりも見直した。キャンバー角は以前の仕様から前後共に2度寝かせ、F12・R14度でセッティング。踏ん張りの効いた足元も、ボディをより一層大きく見せるポイントとなる。
「クッキリとしたフェンダーに合わせるなら、F10・R12度くらいが一番キレイに見えると思います。でも他のクルマと同じになるので、もう少し寝かせて迫力を出しました」。
さらにフェンダーのスソを思いっきり絞り込んだことで、キャンバー角がさらに付いているように見え、インパクトは非の打ちどころなし。
ポーティな雰囲気と立体感は、エアロで上手に表現。まずフロント&サイドは、3D感溢れるディテールが人気のブラックパールコンプリートをセレクトした。
「いろいろなメーカーからエアロが出ていますが、特にブラックパールは造形が立体的だと思いました」。
もともと手を加えなくても完成度が高いこともあり、フェンダーのスソを作った程度でデザインを根本から変えるような加工はしていない。塗り分けの面積も、あえて抑えている。こういうデザインだから塗り分けするにはやり甲斐もあるが、
「やっぱりボディカラーを前面に主張したかったので、あちこち塗り分けてキャンディの鮮やかさが目立たなくなるのは避けたかったです」。
ただ、リア周りはワンオフで自分だけの個性をアピール。リアバンパーは35GT-Rをイメージして、マフラーをビルトイン。ドッシリとした雰囲気を出すべく、ディフューザーやダクトを角張らせてスポーティ感とボリュームを見事に両立。また、ウイングがないと少し寂しかったので、3分割をワンオフ製作。
「でも迫力があるバンパーとのバランスを考え、小さめに作りました」。