以前はエアロや足まわりなど、純粋にドレスアップを楽しむに過ぎなかった谷津クン。
しかし、友だちに誘われて初めてエントリーしたイベントが、内に秘めたるドレスアップ欲を掻き立てた。
「一般席で、かつ場所が悪かったというのもあるんですが、自分のクルマをあんまり見てもらえなくて。あの時はとても悔しかったですね」。
そこで、イベントの賞争いに絡むことと雑誌掲載を目標に、初めての大掛かりなリメイクを決意。まず目を付けたのがボディカラー。
ギャラリーに立ち止まってもらうことを念頭に、パールホワイトからワインレッドへの全塗装を検討。
だが多くのライバルがその色を採用することを懸念し、直前でジャガー純正ブリティッシュグリーンに路線変更した。
「トヨタ系のグリーンだと暗すぎるんですが、これは深みがある上に、暗すぎないところがハマりました」。
しかし、ボディカラーだけでは目標を達成させるのは難しい。
トータルで完成度を高めるためには内装にも手を加える必要がある。
でも、ポップなカラーリングで目を引かせるのは、「シンプルに大人に」というドレスアップのコンセプトから外れてしまう。
そこで指名したのが淡いクリーム系のカラーである。
「派手系の内装が多い中、あえて落ち着いた色で張り替えてもおもしろいと思いました」。
もちろん谷津クンがこだわったのは色だけではない。シートはトレンドのキルト柄ではなく、シートヒーターなどを損なわないパンチングを採用。
デザインも重要だが、あくまでも純正風が最大のコンセプトだ。
そうして完成した現仕様を引っ提げ、2017年11月に開催されたディメンションカップにエントリー。
見事、目標のひとつでもある部門3位に入賞することができた。
「賞レースに絡まないとダメだというプレッシャーがあったんですが、無事に入賞できて安心しました」。
翌月のユニオン杯では初の雑誌取材も経験。それをきっかけに今回の見開き掲載に至った。
「目立ちにくい仕様なので、その中でもこのクルマを選んでもらえたことが、純粋に嬉しかったですね」。
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●VIPスタイル編集部
掲載:2018年4月号_THE DEBUT!_#1142
文=幸谷 亮 写真=奥山 貴嗣