レイズと言えば、フォーミュラワンやGT選手権といったレーシングカーのサプライヤーとしての経験をバックボーンに持つ、性能主義のメーカーというイメージが強い。そのアイデンティティを最も色濃く製品版に反映させているのがボルクレーシングブランドだ。レーシング直系のDNAを持つ鍛造スポーツホイールの最高峰として、軽量と剛性を高いレベルで両立させたラインナップを充実させている。その最新作がこのG16。先の東京オートサロンや大阪オートメッセでも展示されていたので、既にご覧になった方も多いことだろう。今回は見た目では分からない、性能の部分を企画開発部の川崎サンに聞いた。
「デザインは細身のオーソドックスな8交点メッシュですが、狙ってこのカタチを意図したわけではありません。メッシュデザインで十分な剛性を確保できるカタチを追い求めた結果、このような造形になったんです。すなわち、性能ありきのデザインと言ってもいいでしょう」。
具体的には“ノンストレスライン”と呼ぶデザインで全体が構成されているのが特徴で、制動時に路面とのグリップによって発生する強力な負荷を、一点に留めることなく、全身で分散させる。つまりスムーズな曲線と面構成によって、どの方向からかかる力もしなやかに受け流してくれるのだ。だからこそ、このホイールには直線が全くと言っていいほど存在しない。まるでフリーハンドで描かれたような柔らかなラインは、レーシングホイールでありながら工芸品のような美しさを持つ。
真正面からは優雅な印象を与えるG16だが、斜めから見るとスポークの奥行きの厚さにハッとさせられるはず。これこそが剛性の要となる部分で、見た目にも力強い印象を与える。またスポークの付け部分にさり気なくリブ形状を与えたことで、さらに強度を高めることに成功。G16は市街地走行ではオーバースペックとも言えるほどの性能をその細身に秘めているのだ。
そして、今回G16に設定された新色がREFAB(アールイーファブ)。表面にレイズオリジナルのクリアを塗布することで、上質な鏡面感を生み出している。しっとりとした鈍い光沢はこのホイールの高性能と高品位を物語る。なお他のボルク製品やヴァルツフォージドなど、既存モデルにもREFABは追加設定。性能はもちろん、ビジュアル面にもこだわり抜くレイズの2018年に大いに期待が寄せられる。
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レイズ http://www.rayswheels.co.jp