メインはあくまでセダンではあるが、86やGT-R、Z34など、最近はスポーツカーにも力を注ぐブレーン。これらはX10ブランドより派生したX10スポーツとX10スポーツ・ワイドボディで展開し、先日のオートサロン、オートメッセにも出展して大きな話題を呼んだ。いわば旬のシリーズといっていいだろう。
そしてこのLC500もまた、X10スポーツにカテゴライズされた要注目の1台。ブレーン伝統のシンプルさ、高級感はそのままに、アグレッシブなエッセンスも味わえるボディキットを身に纏わせている。
軸となるのは薄く研ぎ澄まされたアンダースポイラーで、各部をカナード風に立ち上げた流行のデザインを採用。スポーティさを引き出しつつも、過激にならないようにサイズやカタチには抑えを効かせている。
それと組み合わせられるのがハーフスポイラー。正確にはハーフスポに別体のアンダースポを組み合わせたと表現すべきだろうが、ともかくこちらも主張は控えめ。フロントはスピンドルグリルやウインカーに干渉しない作りだし、リアは左右に分かれたマッドガード的な構造だ。
しかしフロントハーフには新開発のLEDデイライトが、リアハーフには小振りなダクトがあしらわれるなど、さり気なくも存在感を放つ。またサイドは厚みのあるパネルタイプ。後方にのみ装着され、ボディラインをグラマラスに補正。その下に装着されるアンダースポを、より自然に馴染ませる役目も果たす。
パーツ点数は従来より増えているわけだが、トータルでは非常にまとまっている。これはアンダースポだけでなく、ハーフも設定したことで調和が取れたということだろう。イジった感を出すためではなく、シンプルさを求めた結果のエアロ構成。そこにブレーンのセンスが光る。
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ブレーン http://www.vlene.com
●VIPスタイル編集部
掲載:2018年4月号
文=佐藤 知範 写真=西野 キヨシ