撮影場所は和歌山県の某マリーナ。偶然、そこに居合わせた男性が、食い入るようにヴァルドの新型LSを見始めた。前から、横から、後ろから、10分間以上も。
こんなに長い時間、知らない人のクルマを眺め続けるというのは、普通ではあり得ない。しかし、ヴァルドのLSは人をそうさせる。文字通り、嫉妬させるLSというわけだ。
気になったので話し掛けると、大阪オートメッセで、このエアロを注文した客だった。きっと今頃、その人は「嫉妬する側」から「嫉妬させる側」になっていることだろう。
昨年10月に誕生した50LS。11年振りのフルモデルチェンジとあって、今なお大きな話題を集めている。ヴァルドは新型の登場に合わせ、いち早く、練り上げていたCGによるデザイン画をお披露目。その出来映えは群を抜き、実際の本製作に取りかかる前だというのに、その時点で問い合わせが殺到。
そして、満を持して、年明けの大阪オートメッセで仕上がった実車を見せつけるわけだが、期間中、ヴァルドの新型LSの前から人だかりが消えることはなかった。「11年振りのフルモデルチェンジという話題性」と「見事なまでに完成されたヴァルドのデザイン性」が相まって、多くの人がこのクルマに釘付けとなった。
エアロ名はエグゼクティブライン。ヴァルドが展開している中でも随一の看板ブランドで、由緒正しき伝統を誇る。レクサスのフラッグシップをドレスアップするのに相応しい、日本のトップブランドだ。
形状は純正クオリティのABS製で、ボディを一切痛めずに装着できるハーフタイプ。これは、このタイミングで新車をイジるオーナーたちにとって嬉しいはず。また、ハーフはフルバンタイプと異なり、デザインできる面積が狭いのが難点だが、決してそう思わせないギミックを仕掛けているのも、さすがヴァルド。
特に本作の最大の特徴である、メッキをプラスアルファした手法は大好評。50LSは純正の時点でメッキを多用しており、ヴァルドはそれをエアロでも踏襲し、高級な新型LSをより高級に仕立て上げた。思わずずっと見ていたくなる。そんな思いにさせる、正しく秀逸なエアロだ。
ヴァルドが新型LSのために製作したのは、エアロパーツだけではない。ご覧の3本のオリジナルホイールも手掛けてきた。こんなに早いタイミングで、これほどの選択肢を用意してきたという事実からも、ヴァルドの新型LSに対する本気度を窺い知ることができる。
イリマ(メイン写真)、トスカ、ドゥシャトレ。それぞれデザインが大きく異なり、選ぶ側としては迷い甲斐がある。また、新型LSは先代よりもボディが大きくなっており、同時にタイヤハウスも巨大化。ゆえに、22インチを求めるオーナーが増えることは間違いない。もちろん、この3モデルには22インチを設定させている。
意外にもというと語弊があるが、新型LSにドンピシャのハマり具合を見せているのがイリマ。ホイール単体で見るとスポーツクーペに相応しい尖ったデザインなのだが、実際に装着させると相性は抜群。重厚な新型LSの全体の雰囲気が、さり気なくスポーティになる。
イリマは鋳造モデルだが、スポークの細さやエッジの加減、さらに、リムがブラッシュドというのもあって、高級鍛造品のようなムードも漂わせる。この上質感も新型LSとマッチしている要因の一つだろう。
実にスポーティなイリマの他にも2本、ひねりを効かせたスタイリッシュなトスカ、そして、セダンらしい存在感のある堅牢なドゥシャトレも見逃せない。
先代の40LSでも、オーナーたちから業界随一の人気と信頼を獲得してきたヴァルド。新しいLSでも、魅力的なアイテムを武器に、ヴァルド人気は続きそうである。
□問い合わせ
ヴァルド http://www.wald.co.jp
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●VIPスタイル編集部
掲載:2018年6月号
文=田中 覚 写真=白谷 賢