新型クラウン用のエアロを一番最初にリリースしたのは、DUEX(ドゥ)だった。足まわりやマフラーを得意とする新進気鋭のメーカーで、エアロ開発は今作が初である。
「220系は純正の時点で非常に完成度が高い。それを踏まえた結果、パーツを交換してガラッと雰囲気を変えるのではなく、『パーツを付け足してサラッとイメチェンする』という方向で開発しました」。
その真骨頂がグリルカバー。これはありそうでなかった画期的なパーツで、思わず、『なるほど!』と唸ったオーナーも多いはずだ。
「特に年齢が上の方たちは、巨大なグリルに嫌悪感があるようでして。グリルカバーを装着すると、馴染み深いセダンの顔付きになります」。
大胆な発想のアイテムだが、ご覧の通り、違和感がなく、意外なほどクラウン感も薄れない。しかも、取り付けも非常に簡単。ナンバープレートと共締めするだけ。それもあってか、まだ発売前だというのに、ウワサを聞きつけた220系オーナーたちから、すでに多くの問い合わせがきているそうだ。
そして、フロント・サイド・リア。これらのエアロパーツも、実によく考えられた作りになっている。
「特にこだわったのが装着後のバランスです。新型クラウンの足まわりや腹下を見ると、構造的に車高が下げづらいということが判明した。となると、低さを演出するにはボリュームのあるエアロが必要になる。それで不自然にならない範囲で、わざと肉厚にしているんです」。
新型を手に入れたオーナーたちは、確実に実感していると思うが、ワクワクしながらカタログで見た時よりも、実物の印象は小さい……。だが、ドゥのエアロを纏った、この新型クラウンはどうだろう。それこそ、レクサスや輸入車にも負けない迫力があり、トヨタの最高級セダンとしての威厳も感じる。なぜか?
「純正は全ての部分が、下に向かうにつれて、すぼまったカタチになっている。それが小さく見える原因だと思います。特にリアは信じられないほどケツ上がりで貧相……」。
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ドゥのエアロは、そこも改善。先述した下方向へのボリュームアップだけでなく、前方向にもボリュームアップしているのだ。ただし、
「横から見た時に、エアロが出っ張るのは今風ではないし、走行性能にも支障が出てしまう。ですから、あくまでも出し幅は純正同等。例えば、フロントはグリル枠が一番出ているんですが、エアロの出し幅はそれに合わせているんです」。
エアロ初挑戦、クラウンが処女作なのだが、ドゥのエアロはそうとは思えないほど、完成度が高い。デザインも他メーカーとは一線を画すオリジナリティがある。しかも、それらを他社に先駆け、一番乗りでやってのけた。期待せざるを得ない、エアロメーカーの誕生である。
リアのエアロの構造も、画期的で面白い。製品は見慣れた一本物ではなく、バラバラの分割式。 リアバンパー横のアンダーフラップ、中央のガーニッシュ、中央下のディフューザー。それぞれ単品を、自分の好みに応じて付け足せるよう、3分割になっているのだ。
その上で、アンダーフラップやディフューザー下のバーは、グリルカバー同様、DIYで脱着ができるようにもなっている。
「装着は純正のボルトとクリップで共締めすればOK。ですから、簡単ですし、位置もずれない。そして、強度を出すために追加でタッピングビスを打ち込めば、装着完了です」。
実際に取り付け作業も見学させてもらったのだが、ものの数分もしないうちに終了。これなら本当に、オーナーたちは気分によって、取ったり外したりが楽しめるだろう。
「長年、カスタムショップをやってきた経験上、エアロは取り付けやすさも大切だということを痛感しています。ですから、見た目のカッコ良さはもちろん、見えない裏側にもこだわりました。また、自分自身もドレスアップオーナーなので、自由度のあり・なしも重要だってことを理解している。イベントオーナーたちにとって仕様変更というのは、大きな楽しみのポイントですからね」。
ドゥはエアロと同時に、オリジナルの車高調とマフラーもリリース。車高調は試行錯誤中で、正式発売は年明けになる見込み。
一方のマフラー(RS2ℓターボ車用)は発売中で、純正バンパー&車検対応品。仕方がないとはいえ、純正マフラーは何とも言えない形状かつサイズ。ゆえに、社外マフラーを待ち望んでいた方も多いだろう。
ドゥの新型クラウンの開発は、これだけでは終わらない。シートカバー、マット、ブレーキ、フォグカバー、ダクト付きフロントフェンダー、ルーフスポ、トランクスポと、今後も続々とリリースしていく。
「新型クラウンに関しては、何でもやろうって思っています」。
まだまだパーツが少ない新型クラウンのオーナーたちにとっては、何よりも心強い宣言である。
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●VIPスタイル編集部
掲載:2018年12月号_クラウン特集
文=田中 覚 写真=木下 誠