国産最高級車の50LSを、さらに高級に振った仕様。これは大人にこそ相応しい高級車の触り方だ。さり気なく人目を引きたい人に参考になるドレスアップ術である。
久保サンのLS歴は非常に長い。40LSは前・中期と2台乗り継いだ。スピンドルグリルを採用した後期は乗るタイミングが合わなかったが、50LSが出るという情報を知り、モデルチェンジするまでずっと我慢していたとか。グレードは40後期で初導入され、ずっと乗ってみたかったというFスポーツ。
「雪が多い北海道ですが、AWDではなくFRを選んだのがこだわり」。
50LSで一番好きなところはスピンドルグリル。40後期と比べると横方向への広がりが増し、重厚なフォルムにより安定感をもたらす。
「40後期に乗れなかったので、スピンドルへの憧れはありましたね」。
ドレスアップのテーマは「大人のVIP」。高級セダンのあるべき姿を追い求め、今まで乗ってきたLSでもシンプルかつ渋い雰囲気を醸し出すスタイルを作り上げてきた。ボディカラーは純正ブラック、というのも昔からのこだわりである。
「大人のVIPを目指すなら、黒しかない。白だとちょっと締まらないと感じる。一度黒のクルマに乗っちゃうと、もう離れられないです」。
また、パーツ選びに関しても妥協せず、「良い物」を厳選。1200万円オーバーのFスポーツだから、それに見合った高品質で信頼のあるメーカーのパーツでコーディネイトしたかった。まずエアロとホイールは、老舗のヴァルド。過去のLSもフルヴァルド仕様で決めていた。
「ヨーロピアンでオシャレなエアロのデザインが大好きで、昔からヴァルドの大ファンなんです」。
完成されたデザインだから絶対に変えたくない。だから造形にメスを入れるような加工は避けた。細部の塗り分けでさり気なく他と違いを出す方法を選んだのだが、塗り分けの色で目立つのも嫌だった。
「ハッキリと色分けするのは違うと思うので、ガンメタ。それも限りなく黒に近い色合いで塗って、あまり目立たないようにしました」。
ホイールは右がボルサリノV12ーC、左はイリマI12ーC。異なるモデルを左右で履き分けているのも、ちょっとした大人の遊び心。
「今まではボルサリノでしたが、今回の撮影が決まったので変えてみようかと。でもまわりからの反響も良いので、今もこのままです」。
大型のブレーキも、久保サンにとっては「ドレスアップの基本」。イデアルのブレーキを投入することで、ホイールの魅力をさらに高めた。
足まわりも妥協せず、信頼性重視でボルドのエアサスをチョイス。付き合いがあるエイムゲインの伊藤チーフに相談し、わざわざクルマを広島に持ち込んで組んでもらった。
「使い勝手の良さは最高です。今はボルドじゃないとダメですね」。
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