手数は多いのに派手さはほどほど。2世代前の200系なのに全く古さを感じさせない。
最も難しいとされる「手が入っているシンプル」を目指す人は参考にすべき要素が多々ある。
ニコイチバンパーにライト類の加工。それだけに留まらず、フェンダーダクトや給油口の特殊ペイントまで施す岡野クラウン。 手数こそ多いが、さほど派手さを感じない。一歩間違えただけで派手な仕様になりかねないが、もっとも難易度の高い「手が入っているシンプル」を具現化している。
「手を加えないシンプルもいいんですが、本来のシンプルは手を入れてこそなのかな、と。見る人が見たら、手を加えないのではなく、加えられない、になっちゃいますからね」。
エアロはシンプル好きのユーザーから人気のJユニットのグロリアス。しかし、ポン付けはせず、フロントは同シリーズの210系のフォグポケットをドッキング。
「ポン付けだと他と被りますし、210系用だとスピンドルグリルのようなカタチでやりすぎ感が出る。縦レイアウトのデイライトはあまり見ないので、フォグポケットだけをニコイチしました」。
グリルは、全体のバランスを考えて後期用から前期用にチェンジ。あまりにもさり気ないが、極力すべてに手を加えるのが岡野クンの信条。
「後期のほうがもう少し起き上がっている。この顔には緩やかな角度の前期用のほうが合うかなって」。
リアはLC純正をニコイチ。埋め込み式のマフラーが、リアビューに高級感とスポーティな雰囲気をプラスする。
「前の仕様ではフルチタンの4本出しで、しかも斜め出しだったんです。でも、遊びすぎかなって(笑)。なので、埋め込み式のマフラーにしようと思ってバンパーを探していたら、ちょうど発売されるタイミングだったので、LCにしました」。
合わせたホイールは、岡野クラウンを語る上で欠かせないレオンハルトフォージドLFーS1。定番の5本スポークながら、鍛造の高級感により、2世代前のクルマとは思えない新しい雰囲気を演出する。
「全てがシンプルだと、イベントなどで足を止めて見てもらえない。ホイールで全体の雰囲気も変わってくるので、ポイントとして高級ホイールをどうしても入れたいな、と」。 そうして出来上がった現仕様。しかし、この仕様にたどり着くまでは、幾多の紆余曲折もあった。
「前の仕様では、新作だからとか、カッコいいからってだけでパーツを選んでいました。全体のバランスを考えずに決めていたので、気付いたらテーマがブレブレで(笑)。ある日、ボンネットに入っていた暴走ラインを剥がしてみたんです。すると、全体的にシンプルな感じになって、イベントでも結構いい賞をもらえて。全体のバランスも大事なんだって気付いたんですよね」。
●パーツカット集