国内メーカーで一番最初にレクサスLCを手掛けたのは、アーティシャンスピリッツだろう。何しろ日本でLCが販売されるよりずっと前、2016年11月のSEMAで、第一弾のボディキット“ブラックレーベル”を披露しているのだ。レクサスの協力があったとはいえ、そういう立場にあるということがまず凄い。
そして、それはLCに関して一日の長があるともいえる。各社がようやくLC用エアロを仕上げてきたこのタイミングで、自社第二弾となる“ブラックレーベルGT”をリリース(正確には昨年のSEMAの時点で完成)。その内容は一歩も二歩も抜きん出たものになっている。
目玉は何といっても前後のGTフェンダーキット。装着によってF3・R5センチのワイド化を果たし、ボディラインもマッシブなものへと変貌させてくれる。なお、これを付けて公道を走るには構造変更が必須。新車価格が1300万円を越えるプレミアムクーペに対してなかなか勇気がいる設定だが、臆すことなくその領域へと踏み込んできた。
とはいえGTフェンダーが奇抜かといえばそうではない。あくまでボディ形状を尊重し、流れるようにモデリングすることで、装着時の違和感を払拭。前後共にショルダーラインは力強く盛り上げられ、後方には大胆にダクトも開けられているが、まるで最初からそういうクルマだったかのようなナチュラルさである。
一方、トランクフードからそびえる大型のGTウイングは、純正とは明らかに異質。しかし、これがなくてはブラックレーベルGTとは呼べない。自然にワイド化されたボディをレーシーに引き立てるには必要不可欠。ある意味、フェンダー以上にブランドを象徴する存在といえる。
その他、F・S・Rのエアロはブラックレーベルと共通で、FRP製とカーボン製を用意。フェンダーにもウイングにもカーボンが使用されているため、後者を選べばより統一感ある攻めのスタイルを実現できる。
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アーティシャンスピリッツ
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●VIPスタイル編集部
掲載:2018年4月号
文=佐藤 知範 写真=木下 誠