装飾のためのもの、としてではなく、確実にダウンフォースを生み出す空力デバイスとして、あらゆる車種のエアロパーツ開発を進めるトムス。本業・レース屋である彼らとしては当たり前のポリシーなのだが、多士済々のアフターパーツ業界を見回しても、それは際立った特徴であり、大きな武器。本物を志向するオーナーにとっては唯一無二のステータスに映るに違いない。
そんなトムスのポリシーは、レクサスが世界の高級車と伍して戦うべく開発された、LCにも反映されている。いや、むしろ従来モデルよりも色濃くなったと言っても過言ではない。と言うのもLCに与えたエアロパーツは、国内最高峰のレース・スーパーGTを戦うマシンの、ある要素を継承しているからだ。
「マシンの速さを決定付ける要素を一つに絞るのはナンセンスですが、空力は絶対に無視できない、大事な要素の一つ。そのためエアロパーツは毎シーズン進化しているのですが、このLCには昨年スーパーGTを戦ったマシンの、最新の空力デザインを落とし込んでいます」と、トムスの高橋サン。
各パーツはすべて、空気抵抗を低減し、乱気流を防ぎ、ダウンフォースを強化する、LCを速く走らせるために必要な、意味のあるデザインだ。そのため重さにも配慮しており、全パーツがドライカーボン製というのも、GTマシンさながらのコンセプトと言える。
気になる実際の効果だが、それはノーマルのLCと比較したテスト走行のタイムで実証済みだ。しかしそれよりも、この市販用エアロの元となったキーパートムスLC500が昨年のスーパーGT500でシリーズチャンピオンに輝いた事実が、その効果を何より雄弁に物語る。
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トムス http://www.tomsracing.co.jp
●VIPスタイル編集部
掲載:2018年4月号
文・写真=内田 俊輔