国産高級車ドレスアップマガジン

【PIT IN NEGISHI / 兄弟VIP】彼らの原点〜18マジェスタ / 30セルシオ〜

埼玉県のピット イン ネギシは、今、VIP業界で最も勢いのあるショップの一つ。

そんな彼らのショップと、そこに集う常連オーナーたちをVIPスタイルの最新号(2021年4月号)で紹介中。

そして、より彼らの本質を理解して頂くために、ここでは2018年10月号で掲載した本誌の記事を再録。

根岸兄弟の原点をとくとご覧あれ。

VIPSTYLE_10月号

OWNER:NEGISHI BROTHER

【PIT IN NEGISHI】彼らの原点。
兄弟VIP 〜18マジェスタ / 30セルシオ〜

これまでも度々取り上げてきた兄弟VIP。イベントではそれが強力なアピールポイントになる。

この18マジェスタと31セルシオも、兄弟が乗っている。高校生の頃からセダンが好きだった、兄の翼クン。80スープラに憧れていたが、兄に見せられた雑誌の影響でVIPが好きになった弟の涼クンだ。

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翼クンはクルマの免許を取ると、20セルシオを購入。エイムゲインのエアロと車高調でシンプルに乗った後、当時現行だった18マジェに乗り換える。

一方の涼クンは雑誌で見たTFLコンプリートに衝撃を受け、神林サンや生出サンも乗っていた31セルシオを手に入れた。本誌の平成生まれオーナー特集に登場したこともある。だが、やがて2人とも自分のクルマを手放してしまう。まず翼クンは、人気のミニバンに走った。

「当時新型のヴェルファイアにひと目惚れして、子どもが産まれたこともあってワゴンで行こうかと」。

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かたや涼クンは再び31セルシオを買うまで4年の空白期間があった。

「1台目は泣く泣く手放しましたが、必ずセダンに戻るつもりでした」。

やがて翼クンがミニバンに飽き、ちょうど2人揃ってセダン業界に復活。ドレスアップに力を入れる決意を固めつつ、クルマのコンセプトを2人で話し合った。まずは今まで経験がなかった、オバフェンを作ることを決定。先に翼クンが18マジェをショップに預け、フェンダー加工を開始。その当時翼クンは長距離トラックの運転手でなかなか家に帰れず、クルマの進化を定期的にチェックしていたのは涼クンだった。

「そこのショップは独特で、切り刻んだフェンダーの溶接は『自分でやってね』という方針でした。アークは経験があるけど半自動の溶接機は使ったことがなくて、独学で溶接機の使い方を勉強しました」。

しかし、自分でやるということはスキルアップのチャンスだと考え、涼クンはフェンダーの作り方を必死で勉強。18マジェが完成し、続いて涼クンの31セルシオのリメイクがスタート。今度は地元の先輩が立ち上げた板金屋サンに工具を借りて、自分でクルマを作ろうと決めた。

「僕が先輩に板金塗装の仕事を紹介する代わりに、お店の場所を間借りさせてもらうことにしました」。

今まで板金の仕事をしたことはなかったが、兄の18マジェを触った経験もあり、腕には自信があった。

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二人三脚で作り上げたこの2台は
誰よりも強い兄弟の「絆」が隠し味

先に完成させた18マジェの仕様は、2人で話し合いながら決めていった。その仕様を共通点として取り入れて作ったのが31セルシオ。だから2台は、ご覧のように瓜二つ。普通は血の通った兄弟VIPとは言っても、それぞれの好みでドレスアップすることが大半。しかし2人はクルマの仕様で、「兄弟」であることを全面に押し出した。

「僕らはシンプルが好きですが、1台ではイベントで目立たない。でも同じ仕様で並べたら、シンプルでもインパクトを出せると思いました」。

まずボディカラーが同じ。イチから調合したオリジナルシルバーは、粗めのメタリックを入れて光が当たると鏡のような輝きを放つのがウリ。晴れた日に2台で並べると、誰もがクルマの前で足を止める。またよく見ると、2台共にフロントからリアにかけてのメッキモールが撤去されている。これは翼クンの提案。

「現行のセダンは上側にメッキモールがなく、ツルンとしているのが特徴。僕らのクルマもモールをスムージングすれば、きっと新しい雰囲気が得られると思ったんです」。

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口で言うのは簡単だが、モールをなくすとクルマがのっぺりしてしまう危険性もある。そこで涼クンは、エアロの加工に工夫を凝らす。

「ドアやバンパーをツルンとさせたのにエアロ自体が大きいと、本当にカッコ悪い。だからエアロはとにかく薄く。サイドは違和感が出ないように出幅をドアとツラに。モールを取ってもバンパーのプレスラインは残してメリハリを付けました」。

涼31系はエイムゲインのエアロを加工しているが、翼18系は好みのデザインに出会えなかったので、純正バンパーをFRPで型取りして短縮加工。サイドはモールを取っ払うだけでなく、ドアハンドルの下を走るプレスラインもパテ埋めした。

「このラインも埋めないと、ツルンとしたキレイな面が出ないんです」。

足元にも共通点が多い。足まわりは信頼性に惚れた、Tディメンドワンオフ車高調&アーム。キャンバーが前後12度なのもお揃いである。ホイールは3年前に本誌で行ったパーツランキングで堂々の1位だったという理由で、プロフェッサーMS3をチョイス。そしてブレーキは高価なブレンボを奢った。まさに兄弟車に相応しいスペックとなっているが、フェンダーの出幅は違う。翼クンはF6・R8センチ、涼クンはちょっと大きめなF8・R10センチ。

「実は兄貴が、5月にピットインネギシというクルマ屋サンをオープンさせました。この2台はお店の看板車でもありますが、フェンダーの大きさを変えた方がお客サンに『どっちのフェンダーが好みですか?』と、説明しやすいと思いました」。

そんな兄思いの涼クンだが、彼自身も日中は型枠大工として働き、仕事が終わったらボディ加工を中心にクルマ作りをサポート。本当に仲が良い2人が手掛けるお客サンのクルマは、間違いなくカッコ良いはず。

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●VIPスタイル編集部
掲載:2018年10月号_巻頭特集・オーナー物語。
文=岩田 直人 写真=木下 誠