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【アーティシャンスピリッツ】アメリカでの現在地

ARTISAN SPIRITS
掲載:2019年2月号_巻頭特集
文=内田 俊輔 写真=内田 俊輔・奥山 貴嗣

セマショー2018、メーカーオフィシャルのレクサスUSAブース。世界的な注目度も影響力も計り知れないこの舞台で、アーティシャンスピリッツはどこよりも早く、レクサスES用エアロ・ブラックレーベルを発表した。

ESと言えば、日本ではかつてウィンダムとして発売されていたセダンだが、アメリカにおいては常時ベストセラーカーの一台。つまり、彼の地のレクサスにとって非常に大事な車種である。そんなキーカーのエアロを、我がアーティシャンスピリッツが先駆け的に開発・発表できたのはなぜなのだろうか。

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「我々が初めてセマに出展したのは10年前くらい。当時はちょうどSC用エアロを開発したところで、クーペゆえにアメリカでのウケも良いのでは、と踏んでセマショーにデモカーを出したんです。数年はそんな感じで様子見的にやっていたのですが、NXを開発したところで、レクサスUSAからエアロを提供して欲しい、という話がきたんです」
と、アーティシャンスピリッツ代表の公文サン。ところが、一筋縄ではいかないのがレクサスUSA。

「向こうは結構強気でしてね(笑)、エアロ巻いて出してやるからアレもコレも送ってくれ、と言ってくる。僕らも言われるがままに送るんだけど、でも結局、展示されないということもあったんですよね」。

今なら少しは笑えるのかもしれないが、当時はプライドがへし折られたような気持ちだったのだろう。

「だから詳しくは言えないけど、レクサスUSAにちょっと話をしたんです。僕はエアロのデザインも品質も凄くこだわりをもって作っている。なのに良いように使われるのは、嫌じゃないですか」。

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それが約3年前のこと。アーティシャンスピリッツは決してゲストじゃない。エアロのデザイン、品質で勝負しているんだ。そんな公文サンの熱が伝わったのだろう。レクサスUSAは、販促戦略を一任しているビヨンドマーケティング社(クライアントは有名企業ばかり)のゴードン氏を引き合わせた。それはつまり、レクサスUSAのプロモーションカーのエアロパーツに、アーティシャンスピリッツを指名したに等しい。同時に、車輌製作を担当するエヴァッシヴモータースポーツとも親密化。ここは発売前の新型車輌も出入りする重要拠点で、だからこうしてES用エアロを先行的に開発・発表できたというわけだ。

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そうした成果はセマショーだけでなくいたるところに現れている。昨年のセマショーに展示されたブラックレーベルGTを纏ったLCは今年、ボストンからラスベガスまでの5000キロを横断するゴールドラッシュラリーにエントリー。もちろん、レクサスUSAのオフィシャルカーとしてだ。件のESもまた、セマショー後にワイン愛好家たちをもてなすイベントに参加。

「お陰でいくつかのレクサスディーラーからは、すでにオプションエアロとして採用していただいております。また、ゴードン氏やエヴァッシヴモータースポーツ側からも色々な面白い提案を持ちかけられていますので、また来年以降も、アメリカで頑張りたいですね」。

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とはいえ日本の市場を疎かにしているわけではない。ただ、アーティシャンスピリッツはセマショーを足掛かりに、グローバルブランドになったのだ。だからもはや、アメリカ進出は物見遊山ではない。今や確実に、そして強固に、この地にしっかりと根を下ろしている。