2度目のマイナーチェンジにより、さらなる進化を遂げた130マークX。特にフロントマスクはバンパーのデザインが大幅に刷新され、130史上最も「男前」になった。その表情にさり気なくスポーツテイストを加えたら、より魅力が増したように思える。エイムゲインの実力、恐るべし。
長きにわたり生産された130マークX。10年間の中で2度のマイナーチェンジを行い、前期・中期・後期と進化を続けていった。エイムゲインにとって130系は初めてではなく、過去には前期用の純VIPをリリース。イメージを大きく変えるフルバンを採用した。
「前期はクルマのデザインがプレーンだったので、純VIPのようなシンプルかつ上品なエアロで高級感を出すという狙いがありました」。
しかし後期型になると、前期にポン付けできる部品がほとんどないほど意匠が大胆に変化した。特にフロントバンパーはイマドキのトヨタらしく、クルマに安定感をもたらす大きな開口部や奥行きを強調した立体的なデザインとなり、まるでフルバンを組んだかのように洗練されている。
これにはエイムゲインの伊藤チーフも高く評価しており、「後期のバンパーが斬新なので、それにハーフかリップをプラスするだけで、やっている感を出せる」。
走りを求めるオーナーたちから愛されている130マークX。後期になると見た目もスポーツ寄りになったことから、純正の持ち味を最大限に引き出すためにアンダータイプの純VIPスポーツに決定。
まずフロントアンダースポイラーはこれまでのラインナップと同様に両端をカナードのように立ち上げ、センターに2本の柱を設けて空間を作っている。完成度が高い純正バンパーだが、その中で純正にはないボリューム感や控えめな躍動感に着目して、物足りなさを上手に補っている。しかしボリュームを出したと言っても、下方向への出幅は最小限。
「エアロで低くしてしまうと、車高調で落とした時に地面とのクリアランスが狭くなり、走りに支障が出てしまいます。マークXはエアサスより車高調を選ぶ方が圧倒的に多いので、走りやすさを重視しました」。
程良い高さをキープしたまま、その流れをサイドアンダースポイラーへとスムーズに繋ぐ。こちらも最低地上高を稼ぐために厚みを抑え、後部を立ち上げて統一感を持たせた。
そして注目はリア。開発前のCGではアンダースポイラーで行く予定だったが、車輌を見ながら検討した結果、ハーフタイプに変更した。
「アンダータイプだとデザインの自由度が限られるため、後ろから見た時にディフューザーなどの存在感が出なくなる。130マークXに関してはマフラーを4本出しにしたくて、マフラーに合わせてディフューザーも迫力のある作りにしたかったのでハーフに変更しました」。
スポイラーの側面はハーフらしく、純正バンパーに被せるようなデザイン。これでリアビューのボリュームアップを実現。キモとなるディフューザーは面積を横幅いっぱいまで広げ、つまんだようなフチを付けて側面に回り込ませている。この大胆な造形をアンダータイプで表現するのはきっと困難だっただろう。
「これでディフューザーの存在感をアピールできて良かったです」。
マフラーは純正にプラスするカッタータイプ。マフラーを開発する考えもあったそうだが、NAだと理想的なサウンドを出せないため今回は見送ったとのこと。テールエンドの大きさは92φと絶妙で、ディフューザーに対して変に浮くこともなくバランスが取れている。
エンド部の外周にカーボンを採用している点も、走りを楽しむユーザーが多いマークXにピッタリなチョイスである。
それ以外のパーツもチェックしたい。トランクスポは肩の部分が丸いマークXのトランクを補正するため、角を立ててデザイン。
そしてエイムゲインではおなじみ、ルーフスポも設定。さり気なく違いを出したいオーナーにオススメだ。エイムゲインの参入により、後期型のドレスアップはさらに盛り上がるだろう。
注目のベース車、70カムリ前期。今回はWS用にフロントアンダー&ルーフスポをリリース。「WSはエアロを付けたようなフォルムなので、あえてフロントだけ作りました」。両端は薄くして後付け感を抑えた。今後カーボンも開発予定。
Specification
◉VIPスタイル編集部
初出:2021年8月号